観測(日日是 日)
グループ展「日日是 日」に向けて制作した作品です。
日常の観測をテーマに作りました。
私は例えばつららや砂浜の風の跡、波に削られた岩のような形が好きです。自分で動いたり形を変えたりする力を持たない無生物が気温や、風や、水の流れなどの環境の力によって素直に姿を変えられていることに可愛らしさのようなものを感じます。このような造形は「有機的で自然にできた形」みたいなふうに言い表されますが、自然かどうかなんていうのは人の勝手な基準であって、大抵の形には理由があり、なるべくしてそうなっているのだと思います。
また、私はグラフや表の類にも人並みではなさそうな愛着があります。情報が一定の物差しで見て伝わるようになっているのが好きで、模試の成績表なんかも結果の良し悪しに関わらずいつまでも見ていられました。あるデータの変化を紐解くと全く関係なさそうな歴史の動きとのつながりが見えてくるような、風が吹けば桶屋が儲かるみたいなことが体感できることに魅力を感じます。
どちらも状況がある媒体を通して可視化されていることが好きなのだと言えそうです。そこから、私は自分のこうした関心を観測への興味として定義しました。
今回の制作ではこの興味を消化するつもりで「日日是 日」のテーマである日常と非日常に合わせ、日常の観測をコンセプトに作りました。写真1〜3枚目は自室の中での自分の動きを、4枚目は部屋の光を表しています。
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